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2004/01/27 プラハ:旧市庁舎
旧市街広場の西側に立つごちゃ混ぜ建築。
何世紀もの間の内に増改築を繰り返したために、
このようにちぐはぐな様式がくっついたような外見になった。
とはいえ、現在の姿は第2次大戦中ナチスによって無念にも
破壊されたのを復元したもの。
戦争の渦中であった地であるにも関わらず、比較的街並みが破壊されずに済んだプラハだが
ナチスが特にこの建物を破壊したのには、縁起担ぎのような意味があったという説がある。
話の由来は15世紀初頭に遡る。
(*うろ覚えの話ゆえ、いささか不確かな点もあります。ご了承下さい。)
当時のカトリック教会の腐敗を公然と批判していたプラハ大学総長ヤン・フスが
コンスタンツ公会議(1414年)を経た翌年、異端審問の末火刑に処された。
これ以前より、フスの主張に賛同したがゆえに
ローマ教皇から破門宣告を受けていたプラハの市民はこのニュースに大激怒。
自らをフス派と称し、抗議活動を繰り広げた。
この時期、プラハ市政は対教会政策で急進派と穏健派に二分化していたのだが
1419年、穏健派が教会との対立を回避すべく、教会と癒着関係にあった隣国との
懐柔策に乗り出す一方、抗議活動の沈静化を図ろうとする。…が、結果は裏目に。
これを察知したプラハ市民は、数千人規模で決起。
この市庁舎に殴り込み、穏健派の為政者を窓から放り投げてしまう。
いわゆる、フス戦争(1419〜36)の発端である。
フス戦争は単なる宗教戦争ではなかった。
常に他国の重圧を受けてきたチェコ人が、民族自決を賭けて起こした戦いでもあった。
ナチスは、チェコ人の独立心の拠り所たるこの建物を忌避していたというわけだ。
右上はチェコの紙幣。通貨単位はチェコ・コルナ。
1コルナは約3.5円強(2002年10月現在)。
100コルナ紙幣(上)の、少女マンガの王様みたいなのはカレル1世(カール4世)。
「カレル橋西岸」で紹介した、ボヘミア王国(チェコの前身)発展に寄与した英雄的存在。
50コルナ紙幣(下)の修道女は聖アネシュカ。
プラハに聖フランチェスコ会、聖クララ会をもたらしたことで知られる。1989年列聖。
アッシジの聖フランチェスコは、カトリックの内部から教会の腐敗を批判。
厳格な清貧を旨とする聖フランチェスコ会(旧称:兄弟会)の創始者。
聖クララは、彼に導かれ出家した修道尼。
フランチェスコの思想に賛同する女性のための聖クララ会(旧称:姉妹会)を設立。
2002年10月25日
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