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2006/08/16 ミコノス島:コスタス・ディノス氏
突堤の先まで、夕日を眺めに歩く。
例によってボーッとしながら日が落ちるのを眺めていると、
おっさんがやってきてコッペパンのサンドイッチを食べ始めた。
サングラスがとても気になった。
この人は上下逆さに掛けてるんじゃないだろうか。
私を笑わせようとしているんだろうか。
いやしかしよく見るとやはり、そういうデザインのようだ。
話しかけてみると、アテネで装飾品店を営んでいるおっさんで、
家族旅行に来たのだそうだ。
名前はコスタス・ディノス氏。
釣りが好きらしく、碧色に透き通った海の中を泳ぐ魚を指しては
リスリーニ(鯛)だの何だのと、ギリシャ語で魚の名前を教えてくれた。
よく分からなかったが。
私も魚の名前を日本語で何と言うかくらい伝えてみたいものだと思っていると、
彼が一際大きい声で「オクタポーディ!」と水底の岩陰を指す。
ああ、これなら分かる。蛸だ。
日本語で「タコ」というのだ、と言うと、神妙な面持ちで
ディノス氏は「タ、コ。」と呟いた。
欧米人はデビルフィッシュなどと称して蛸を嫌うと囁かれることがあるが、
少なくともギリシャや南イタリアなどでは、蛸はレッキとした食べ物の部類に入る。
「日本人も蛸を食べる。蛸のスシやサシミもある」というと、
何やら不思議な表情をしながら笑った。
さすがに生では食べないんだろうなあ。・・・って、あれは茹でてあるのか。
まあ、彼らの蛸の食べ方(というか下ごしらえの仕方)も、
我々からするとすこぶる面白いものがあるのだけど。
それについてはまた別の時に。
2003年7月3日
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