ミコノス島の夜もこれで見納め。明朝にはアテネ行きの船に乗る。 この日の朝にも訪れたパラポルティアニ教会裏手の岩場に行ってみると、 太っちょの半月の下、佇む人影。 彼は釣りをしているようだ。 さざめく波間に月の光がひしめきあう。 水平線に向かって、フェリーの灯火が消え去っていく。 近くのバーから はしゃぎあう若者たちの声が聞こえてくるのだけれど、 この島の景色はどこまでも静かで、 どんな喧騒も、この静謐さのなかに吸い込まれていくようだ。 2003年7月3日