千散れ雲の隙間から夏の太陽が旧港一帯に降り注ぐ。 かつてここは船着場として用いられていたが、 現在は旧市街を挟んで反対側(西側)のほうに港が整備され、 ここ旧港は散歩道や釣り人がのんびりと行き交う場所になっている。 岸辺を歩いていると、謎の動きをしているおじさんたちが目に付く。 バケツから濡れ雑巾のような物体を取り出しては、 地面に思いっきり叩きつけ、ボロボロになったそれをまた別のバケツに入れている。 何かと思ったら雑巾ではなくタコだった。 ギリシャ篇でも少し触れたが、南欧でもタコを食べる。 こうして地面に叩きつけ、十分柔らかくなったところを天日に干すのが このあたりのタコの食べ方なのだそうだ。 それならそれで、まな板の上でタタキにするとか いろいろな方法もありそうだが・・・。 まあ、長い間ずっとこうしてきたのだろう。 伝統というのも面白いものだ。 2005年8月21日