クラクフの中心部、旧市街広場に聳えるこの教会は、 毎時刻を鐘と独特なメロディのラッパで伝えることで知られている。 ラッパの由来は13世紀のモンゴル襲来に遡る。 モンゴル軍の侵入をラッパで知らせているうちに弓矢で射抜かれた兵士を悼んでのことらしく、 この言い伝えに則してか、今でもラッパの演奏は曲の途中で突発的に終わる。 この街では毎時間、ある人間の最期を追体験しているのだ。 時刻は深夜零時を回った頃。 同行者がラッパの音を綺麗に録音したいということで 1時のラッパまで聞いていた。 深夜歩きに欠かせないのは三脚。 写真を撮るのに便利だし、これをさりげなくブラブラさせていれば めったに襲われることもあるまい…? 2002年10月31日