フィレンツェで乗り換え、アッシジに向かう途上。 これより1年前。 ぼんやりと窓を見ているうちに通過してしまった眺めがあった。 川沿いの丘の上にこじんまりと身を寄せあう小集落。なんて絵になる風景だろう…。 振り返りながら悔やんだ。「しまった!撮りたかった…!」 そう、リベンジの時がきた。撮り逃すわけにはいかない。 視線を常に先に先にと向け、手元にはカメラを握り締める。 雲の隙間からは時として日光が漏れ落ちる。 折をみてはファインダーを覗いて露出を調整する。 あれか?まだか。流れ去る車窓の眺め。ん、キタ!アレだ! 窓に映りこむ車内の影を排除すべく、レンズを窓にぴったりとつけてシャッターを切った。 …気合を込める割には、あまり出来が良くなかったりするだけに カメラというのはつくづく業の深いマシーンだ。ウデが悪いだけ?ほっといてくれ。 2003年2月9日