2007/09/04 ブリュッセル：グラン・プラスのギルド・ハウス　４

夜も白々と明けてきた。
街灯が消える前に南側のギルド・ハウスをもう一度撮影。

一際明るく照らされた手前の壁面には、
英雄セルクラースの像が横たわる。
１４世紀、ブリュッセルの領有を巡る攻防に尽力した人物だそうで、
この像を左から右になでると幸運が訪れるのだとか。
まあ、こちらとしては
こんなところに来ることができるだけでも幸運なのだけれど。

因みにこの壁のある角を折れて暫く歩いたところに、
「世界の観光名所３大ガッカリ」の一つと言われる「小便小僧（通称ジュリアン）」がいる。
こいつは世界中にいる小便小僧の像のオリジナルで、
小便小僧に限って言えば、世界はここから始まったといっても過言ではない。
由来はいくつかあるらしいのだが、
ブリュッセルの街に爆弾が仕掛けられたとき、かのジュリアン少年が
よちよち歩きで爆弾に近寄り、導火線の火をオシッコで消して
街を救ったという逸話が最も知られている。

しかしこの小便小僧。あまり見るべきものではないかもしれない。
街角で淡々と小便をし続けるジュリアン君を見ると、
きっとあなたは絶句してこう思うだろう。
だから―
だから何だというのだ。
（京極夏彦風に）

とにかくナンセンスなのだこいつは。それも徹底的に。
あなたはジュリアン君の前で力なくうな垂れ、虚脱感に苛まれながら、
そこらかしこを惰性に任せてぶん殴りたくなる―そんな苛立ちに駆られるだろう。

しかもさらに。
イロ・サクレ地区の路地の片隅には
「小便少女」までいるのだ。
ブリュッセル狂ってる。

２００４年８月３０日