2007/12/21 ザルツブルク：モーツァルト生家

ゲトライデ通りの中でも一際賑わいを見せるモーツァルト生家。
１７５６年１月２７日、ここに彼の天才は生を受けた。
世界中のクラシック愛好家がこの地を訪れては感慨を新たにしていく。

とはいえ、ここザルツブルクがモーツァルトの生誕地として
注目を集め始めたのは１９世紀半ば頃から。
その後、モーツァルトの作品を上演する「ザルツブルク音楽祭」という
イベントも開催されるようになり、今ではこの街の名物となっている。
しかし、一説によると存命中のモーツァルトと当時のザルツブルク行政府との間には
何らかの確執があったらしく、彼は結局この地を忌み嫌い
ウィーン、果てはプラハなどへと出向いて行ってしまったのだとか。
そう考えてみると、ザルツブルクがモーツァルト生誕地として名を馳せるまでに
１世紀もの時間を要したのも頷ける。

人の営みを紐解けば、皮肉にも不協和音が奏でられることもある。
しかし、モーツァルトのオペラには
そうしたことをもユーモア溢れる笑いへと昇華させる力がある。
もし彼が現代に生きていたなら、
今のザルツブルクの有り様をどう描いてみせたことだろう。
まあこれはあくまでも、ある一説を前提にしたうえで・・・ということだけれど。

２００５年２月５日