2004/08/12 アッシジ：白い鳩（カルチェリ修道院）

カルチェリ修道院の屋根に。

鳩（鳥）は、フランチェスコが最も好む動物の一つであった。
『小さき花』２２章でも、
鳩を売りあるく若者からその鳩を譲り受け
解き放ったエピソードが綴られている。

また、フランチェスコが鳥たちの前で説教を行ったという逸話も有名だ。
『小さき花』１６章、自らの使命が何であるか煩悶した彼は、
弟子たちを介して神の御心にふれ、それが説教であることを知る。
再び布教へと足を運んだ彼は、途上で立ち止まり鳥たちに説教を始めた…。
（アッシジから南へ10kmほどにあるカンナーラから、
　更に10km南下した地バヴェーニャにいたる道中でのことらしい）

その内容は、ああせよこうせよといったものではなく、むしろ
鳥たちの生き様が、如何に神の意志に沿い
祝福されたものであるかを賛美するかのようなものだ。
常に自由で、着る物に事足り、財を貯め込むこともなく暮らしている…。
そのように創られたことを感謝することを忘れてはならない、と。
彼は、鳥たちを介して、人間の生き様を省みさせようとしたのかもしれない…。

２００３年２月１０日