サン・ダミアーノ修道院から平野へ降り、 フランチェスコが兄弟会を発足させた地リヴォトルトへ向かう途中。 このアパートの一室に住む人物と知り合い、 部屋で珈琲を頂戴しつつ少しばかり話し込んだ。 「ここにいると、小鳥の歌が聞こえ、夜には星月が輝く。 人間に必要なものは、然して多くのことではない。」 静かに力強く語っていた。 フランチェスコの時代から引き継がれたものは、決して街並みに限ったことではないのだ。 2003年2月11日