2006/09/20 アテネ：野外レストラン

ミコノス島を後にして約5時間。
アテネの港、ピレウス港に入港し、
日本の電車と比べて一回り小ぶりな車体の地下鉄でアテネ市内に入る。
街中はゴミゴミしていてクソ暑い。

この熱気にすっかりやられてしまったのか、アテネに着いてからの私は
何だかすっかりやる気をなくし、どうにもヤサグレた気分に駆られてしまった。
Matallicaの『St. Anger』を聞きながら街を歩くと、
雰囲気にとてもピッタリだったのでずっと聞いていた。
エーゲ海の島々の心地よさが、嘘のようだ。

当ても無く街の西側にあるダウンタウンのあたりを彷徨う。
辺りには、エウリピデス通りだのソクラテス通りだのと
大層な名前の通りが縦横に走る地区だが、どこもやつれた雰囲気に満ちている。

とりあえずその辺にあった1泊15ユーロの小汚い宿に1泊取り、
荷物を置いて一服する。
部屋の壁にはヘタクソな壁画が描かれている。
男だか女だか判然としない金髪の人物が
素っ裸でラッパを吹きながら波間を歩いている絵だ。
妙に顔が歪んでいて、長く見ていると気がヘンになりそうだった。
記念に写真でも撮っておこうかと迷ったが、何やら禍々しい気を感じたのでやめた。
路地の吹き溜まりの粉っぽく蒸した風が、窓からもわんと吹き上げてくる。
割れたクラクションの喚き声ばかりが響き渡る。
やれやれ、なんて街だ。

夕刻、街の南にある古代アゴラ遺跡の近くまで散歩に出る。
地下鉄ティシオ駅付近、営業を始めたばかりの野外レストラン越しに
ライトアップされたアクロポリスが浮かび上がる。

２００３年７月４日