2006/11/17 アテネ：フィロパポスの丘より

昨日の無能な一日を反省し、
今日は朝の４時に起き抜けて
フィロパポスの丘へと朝焼けの写真を撮りに出かける。
道中、そこかしこのレストランの前では
従業員が道の清掃を始めている。早起きだなあ。
日中にはダラダラと寝そべってばかりの野良犬も、
多少は涼しいこの時間なら元気らしく、怪しい東洋人を見かけては
うるさく吠えかけてくる。
旅先で犬に吠え立てられると、どうにも鬱になるものだ。
噛まれなかっただけよかったかもしれないが。
とはいえ、あまりに興奮した様子の犬を見て
私の身を案じてくれたのか、あるいは単にうるさかっただけかもしれないが、
清掃中の従業員が野良犬に大声で呼びつけ、食べ残しを投げるなどしてくれた。
人というのは有り難いものだ。

夜通し劇を演じていたわけでもあるまいに、
ヘロデス・アティコス劇場には眩い光がずっと灯されている。
写真中央、アクロポリスの向こうに輝くのは
昨晩登ったリカビトスの丘の歩道を照らす街灯。

日中に照らしたというディオゲネスのランプと、どちらが明るいだろうかなどと
蒙い智恵を巡らしつつ朝焼けを迎える。

２００３年７月７日