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2007/01/06 ベルギー地図
「海外篇:はじめに」の地図では小さすぎて表記できなかった訪問都市もあるので、
ベルギー篇の最初に改めてベルギーの地図を。
画像に付した日付は2004年のもの。
ギリシャ旅行から1年強を経て、ベルギーへと旅立つ。
先の旅行では今一つ味わい難いように思えた、「いかにもヨーロッパ」な風景を求めて。
ベルギーといえば何を思い起こすだろう?
チョコレート?ビール?それももちろんです。楽しまねばならない要素です。
そしてもう一つ忘れてはならないこと。
そう、ベルギーといえばEUの中心地。
牧歌的な農畜産業の風景、石造りの教会や石畳といった伝統的な街のたたずまい、
そして、幾多もの覇権争いの末にEUという新しい国家の関係を模索し始め、
時に協調し時にぶつかり合う現代のヨーロッパ・・・
歴史という縦糸と、政治外交という横糸が収斂された地を訪れてみたいと思った。
そこが、一体どんな雰囲気の地なのか。
・・・といっても、こっちはたかが10日間やそこらぶらぶらするだけなので
そんな大袈裟なことなど掴めるわけも全くないのだけれど、
まあつまりは単に「見てみたいなー」と思ったわけです、ベルギーという国を。
あわよくば、ギリシャでは撮れなかったような雰囲気の写真を撮りたいなと。
そもそも自分自身、ベルギーのことなんて何も知らなかった。
小学生の時分に読んだ水木しげるの『妖怪百科事典:世界篇』で、「歯痛殿下」という
夜中に歯痛をもたらすイヤな妖怪がいる(伝承がある)ということくらいしか意識になかった。
私が「次はベルギーに行こうと思う」と言ったとき、友人のKは
「ブルージュって、ベルギーの街だっけ?」と聞いてきた。
私はそうだと答えた。彼は続けて尋ねた。
「ブルージュっていうのは、ブリュッセルっていうのと同じ街のことなの?言語によって発音が違うとか?」
私は、ちょうど読み始めていたガイドブックの知識によって
「いや、ブルージュはベルギー北西部の運河都市、
ブリュッセルは中央に位置する首都のことで、全く別の街なんだよフフン」などと通ぶって答えていたが、
実際その3日ほど前までは自分も
「どうせブルージュもブリュッセルも同じ街の別名称なんだろう」くらいにしか思っていなかったのだ。
危ないところだった。沽券に関わるところだった。
しかし、「言語によって名称が違う」という発想そのものは
ベルギーの街の名を知るうえではとても重要なこと。
この国は面積こそ小さいながら、多言語国家なのだ。
北部ではオランダ語系方言のフラマン語、
南部ではフランス語系方言のワロン語が公用語として用いられる。
当然、街の名前もそれぞれに違う。
たとえば、日本において「ブルージュ」の名で知られる街の別名称は「ブルッヘ」。
「ブルージュ」はワロン語、「ブルッヘ」はフラマン語での名称だ。
(因みに言うとこの街は北部のフラマン語圏に位置するので、どちらかといえば
「ブルッヘ」をメインに表記するのが筋ではないかと個人的には思っている。)
他にドイツと境を接する地域ではドイツ語も用いられる。
なお、面倒なので当HPでの地名の表記は
基本的にガイドブック(るるぶ出版のワールド・ガイド・シリーズ)に準じることにする。
さて、多言語国家となると非常に小難しいところへ行くようにも感じられるが、
旅行でぶらつく程度ならば実のところ大したことではない。
街の名前の分別さえつけば、あとは何語で話されようと分からないという点では根本的に同じなのだ。
こっちとしては、挨拶に使う単語(さすがにそのくらいは頭に入れる)以外には
中学生レベルの英語くらいしか分からないのだ。今までの旅行と何あまり変わりはない。
日本に暮らす私たちからしてみれば、さして意識されることのあまりない国ベルギー。
そこにはどんな風景が広がっているのか。どんな歴史が秘められているのか。
以降、ベルギー写真でお楽しみください。
2006年1月6日 記
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