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2007/01/11 ゲント:小ベギン会修道院 1


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旧市街一帯の人ごみにちょっと疲れてしまったので
そこから離れ、街の東側にある小ベギン会修道院まで足を伸ばした。
いくつかの朽ちかけた建物に緑の庭園があり、欧州風侘び寂びの趣。
建物は大体17世紀くらいのものらしい。

ベギン会とは、1245年にフランドル伯爵夫人マーガレットによって創設された
女性クリスチャンによる修道会で、独特の神秘主義思想と観想生活を営むのが特徴。
フランドル地方の各都市に修道院が点在している。
(ゲントには3つの修道院があり、ここはその一つ。)
修道会と言っても、ベギン会の場合は完全に出家してしまうわけではなく、
一般の世間で働くことや私有財産も認められ、退会して結婚することも許されているという
言わば「半聖半俗」の信仰共同体。
当時の女性たちの生活をサポートするという社会活動的な側面も持っていたのだが、
ローマ・カトリックのヴィエンヌ公会議(1311-12)では
「誤まった神秘主義」の一つとして指摘されるなど暗い過去も残す。
とはいえ今でも、この修道院では女性信徒たちが羊を飼うなどしながら
静かな生活を送っているそうだ。

2004年8月23日

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