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2007/01/13 ブルージュ:運河
アーレンツの中庭で一休みを終え、ホテルへとのんびり戻る途上。
ウォーレ通りの橋上から運河を眺める。ずっと曇っていたが、少し晴れ間が見えてきた。
運河ツアーのボートが淡々と進む。
左奥の塔は聖母教会。
ここブルージュは運河の街。
中世においては運河を利用した海運業や毛織物の輸出入などで栄え、
ヴェネチアなどの地中海都市と欧州北部のハンザ同盟諸都市とを結ぶ交易の拠点として大きな発展を遂げた。
しかしその繁栄も束の間。
15世紀頃からは、運河に流れ込む土砂が蓄積して大きな船の乗り入れが出来なくなったり、
イギリスでの毛織物業が台頭したりなどの様々な要因から、街は段々と衰微していく。
ベルギーの小説家ローデンバックの『死都ブルージュ(ブリュージュ)』は、そうした背景から描かれたものだ。
(それに限らず秋から冬にかけてのフランドル地方は、元から相当に陰鬱な情景となるらしいが)
しかして万事、塞翁が馬。
かつて「死の都」とまで呼ばれたブルージュだが、それが奏功し
現在では中世の景観を今に伝える景勝地として「天井のない博物館」の異名を誇り、
世界中からの来訪者を迎え入れる一大観光都市として注目されるようになった。
2004年8月24日
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