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2008/01/10 ザルツブルク:雪の丘
メンヒスベルクの山中にある学校らしき建物。
写真では暗くて見えないが、
雪の斜面にはスキーや橇の跡が一杯残っていた。
日中に子供たちが遊んだのだろう。
斜面の下からは旧市街の街灯りが夜空の底を照らし上げる。
どうせなら夜空のオリオンもできるだけ一緒に納めたい。
三脚を一番低い位置にして設置し、体を雪の中に横たえ、
首を捻りながらファインダーを覗く。
頭を横にすると構図のバランスがうまく取れなくなる。
フィルムの残数を考えると撮り直しはできない。
その姿勢での視界に慣れるまで、ピントと露出を確認しながらしばらく待つ。
2,3分して息を凝らしながら角度を調整しなおし、さあ撮るぞ!
・・・というところで、遠くからおじさんがこちらに声を掛けてきた。
「ソフィア!?ソフィーア!?」
うーん、どうやら大いなる人違いをしているようだ。
奥さんとかくれんぼでもしているんだろうか。
せっかく体勢を整えたところではあるが、このまま無視するのも何なので
一旦立ち上がり「グーテナハト!・・・あー、あいむのっとそふぃあ!」などと返す。
これくらいドイツ語で言えてもよさそうなものだが、
咄嗟には出てこないところが情けない。
おじさんは軽く手を振ってまたソフィアを探しにどこかへ行ってしまった。
さて、もう一度雪に横たわり落ち着いたところで撮影再開。
撮り終えて見上げると、数限りない星々が夜空を埋め尽くしていた。
2005年2月5日
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