2008/01/10 ザルツブルク：街灯り

結局、めぼしい場所も見つけられないまま
坂をゆっくりと下りる。
うーん、山の中を歩いて来たのは徒労だったか・・・
そう思われたとき。
九十九折の坂道の角に差し掛かると、上の景色が目の前に現れた。
山上に登るケーブルカーの麓の駅から少し登ったあたりのところ。

教会を照らす照明が、逆光となって建物の陰影の深さを際立たせ
夜空の闇へと溶け込んでいく。
もう少し高い場所から撮りたかったが
目の前に迫る高さに建物があるというのもこれはこれで申し分ない。
フィルムの残りはあと4枚。一発で仕留めたい。
１ｍほどの高さの塀の上に三脚を立て、角度と構図を何度も確認し撮影。
左手前はザンクト・ペーター教会。右奥はフランツィスカナー教会。

今晩はこのくらいにして、残りの3枚は明朝の分に残しておこうかな。
この後、旧市街のゲトライデ通りまで下り
夕食に温野菜サラダとカルボナーラを食す。
多少なりとも食に一家言ある人ならば
「なんでザルツブルクでカルボナーラなんか？」と思われるだろうが、
今回の旅行中、プラハで食べた濃厚なスメタナソースのカルボナーラを思い出し
「中欧のカルボナーラは期待できる」と思ったのだ。
（そもそもこちらはあまり味に拘らないほうだというのもあるけれど。）
結局、今夜のこの選択はさほど期待通りというわけでもなかったが、まあそれはいい。
写真の手応えもそれなりにあったし
−5℃くらいの中をずっと歩いてきたのだから、暖まりさえすれば何でもうまいのだ。

２００５年２月５日