旧市街北側の海辺は岩場が広がっていた。 海から太陽が昇るのを眺めようと突端で腰を下ろす。 蚊のような虫が群れを為して辺りを飛び回る。 刺されてもそんなに痒くはないが、やはり不快だ。 ペチペチと叩きながら海を見ていると、 いつの間にか近くでおじさんが釣り糸を垂らしていた。 えらく無骨な釣竿だ。 よほどの大物を狙っているのだろうか。 寡黙に手ごたえを待つ。 2005年8月22日