前掲と同じく、サンタ・マリア・イドリス教会付近のサッシ内にて。 出入り口と明り取りの窓から光が差し込む。 しかし奥のほうにはさすがにあまり光は入らない。 ペンライトで照らしながら暗がりの中に入っていくと、サッシの中は想像以上に広い。 奥の間があり、床が深く掘られ 岩を掘りぬいた寝台や、煉瓦を積んで竈や壁を造っていた跡なども 暗闇の中にひっそり残っていた。 外の雨音を聞きながら、電気もガスも水道もなかった時代、 この家ではどんな暮らしが営まれていたのだろうかとしばし想像する。 2005年8月22日