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2008/03/18 バーリ:旧市街・路地 2


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午後2時過ぎにバーリ駅着。
駅前のマックで昼食を取る。
「せっかくだから何か南欧らしいものを食べよう」という気構えも捨てる。
とにかく淡々と過ごす。
本を読み、公園の木陰で時間を潰し、港までぶらぶらと歩く。

しかし、明日の朝にはクロアチアにいるのだから
少しばかり準備はしておきたい。
途中で見つけた銀行に立ち寄り、
クロアチアの通貨クーナを扱っていないか尋ねてみる。
バーリの港から便も頻繁に出ていることだし、
どこかしらで扱っているだろうと思い数軒訪ねてみたが
結局どこも扱っていなかった。
まあいいか。レートはよくないが港に両替所くらいあるだろう。

街の東の旧港を眺めながら、旧市街の中に入っていく。
最初に訪れた数日前が、遥か昔のことのようだ。
ポリニャーノ・ア・マーレ、マテーラ、アルベロベッロと、
訪れた街の光景を思い起こしながら路地の暗がりへと歩を進める。

と。いきなり後ろからおっさんに声を掛けられた。
この辺りは余り治安のいい場所ではない。
ビクリとしながら振り向くと、派手な柄のランニングシャツに短パン姿をした
中肉中背のおっさんが立っている。
汗をかき少し息を切らしているようで、見た目にはジョギングの途中で
休み休み歩いているところといった様子だ。少々強面なのを除けば。

何を言われるかと身構えると、煙草をくれといってきた。
ジョギングの途中に煙草を吸うつもりなんだろうか。わけが分からん。
まあいい。こちらに断る理由があるわけでもないので1本渡し火をつける。
あまり関わることもあるまいと「チャオ」と声を掛け合いその場を立ち去ると、
背中のほうから急激にゴホゴホと咳き込む音が聞こえた。
おっさんがむせ返っている。
うーん。ますます分からん。
だが、こういうイタリアが好きだ。

2005年8月25日

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