知られたことのない星座 > T.S.Gallery
( 前のページ : 次のページ )
2008/09/25 モスタル:山腹より 1
バスターミナル近くの路地に当たりをつけ、
最初とは別のルートで東側の山に登ってみる。
やがて立ち並んでいた家々が途切れると、荒れ野の中を暫くコンクリートの小道が続く。
山の斜面には山羊を放牧している家もあるらしく、家の裏には柵が囲われていたり
斜面の遠くに山羊の姿が見えたりする。至るところに山羊の糞も転がっていた。
家畜の放牧をしているということは、
このあたり一帯は地雷の心配はないということだろうか。
とはいえ、相手は地中に埋まっているのだから油断はできない。
コンクリートの小道が途切れると、
今度は石灰質の岩盤が地肌に露わになったところを選んで歩く。
さすがに岩盤をくりぬいて仕掛けたりはしないだろう。
それもなくなると、次は大きな岩がゴロゴロと転がっているので
地面に足を着けないようにその上を飛んで進む。
山腹には、古くなって放置されたコンクリート製の電柱と、
新しく建てられたものらしき送電線の鉄塔が立ち並んでいる。
これだけの工事をやったのなら安全といえるのかもしれない。
保証することはできないけれど。
最後には大きな岩壁が立ちはだかり
山頂まで登ることは出来なかったが、
町全体を見渡すには申し分ないところまで来た。
然していい眺めというものでもなかったが、
せっかく登ったことだし記念に撮影。
写真は街の南側。
左手の岩場の向こうには空港の滑走路が見える。
すぐ手前に見える低木には枝にトゲがあり、
しかもこれが山の至るところに生えている。
サンダル履きだったので歩くのに相当難儀した。
しばらく岩場に佇んでいると、街のモスクから
礼拝を呼びかけるアザーン(コーランの朗誦)が聞こえてきた。
そして、それと同時にどこかの家の窓から
それを掻き消すほどの大きさでラジオのロックンロールが流れてくる。
反抗期の子供か、あるいはイスラム教に反感を覚える人の示す抵抗か・・・。
街の音にも様々な思いが垣間見える。
2005年8月27日
知られたことのない星座 > T.S.Gallery
( 前のページ : 次のページ )