ボスニアからクロアチア領内に入ると、 バスはひたすら複雑なカーブを描く海岸沿いの道を進む。 山並みの起伏と海岸線の凹凸が、いつまでも見飽きない景色を楽しませてくれる。 紺碧の海に緑豊かで静かな街並み。 十数年前には紛争の最中にあったとは思えないほど美しい景色が窓の外を流れていく。 沿道の藪や茂みで、なかなかいいショットが撮れなかったことが悔やまれる。 モスタルのホテルでもらった紙袋を開けてみると、 ハムやレタス、チーズを挟んだ大きなバケット・サンドと バター、ジャム、パテの入ったプラスチックケース、そして紙パックのオレンジジュースが入っていた。 これは嬉しい心配り。車窓の眺めとともに、染み入るような幸せな気分を味わう道中だった。 2005年8月28日