2010/03/30 ドゥブロヴニク：ケーブルカー跡

スルジ山山頂（標高412ｍ）にはケーブルカー乗り場の跡が傷ましい姿のまま残されている。
紛争時、クロアチアはメディア戦略として「いかに自分たちが被害を受けているか」ということを
広くアピールし、国際社会から同情の目をひきつけ世論誘導を計ったと言われる。
ドゥブロヴニク旧市街が艦砲射撃を受けたことも事実だが、
その被害を針小棒大に報道していたことを指摘されることもあったりする。
このケーブルカー跡があえて復旧もせず解体されることもなく
無残な姿のまま今に残されているのは、
現在でもそうした思惑が働いているからだと見られることもあるようだ。

まあしかし、「じゃあ広島の原爆ドームもそういう意図で残してるのか」と言われれば
やはりそんなことよりももっと別のメッセージがあってのことだと我々日本人は考えるだろうし、
ここは一つ、これもそういう戦跡のひとつとして眺めたいものだ。

２００５年８月２９日