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2010/04/12 ドゥブロヴニク:塹壕跡?
下山の前にしばらく山頂を散策してみると、
1m半ほどの深さに掘られた溝が行き来していた。
用途がよく分からず、溝の中は草で覆われている。
紛争時の塹壕の跡だろうか?
この後、九十九折の坂道をてってけと下山。
途中、5,6頭の牛を散歩に連れて山を登ってくる人と擦れ違った。
牛をこんなに間近にみるのは何時ぶりぐらいだろう。
山を下りると時刻は12時半を回った頃。
キオスクでコーラとサンドイッチを買い木陰で一服。
ホテルに戻って2時間ほど昼寝し、海パンにTシャツ姿で文庫本と小銭を持ち泳ぎに出掛ける。
カメラはホテルに置いて出たのでこの時の写真は残念ながらない。
旧市街を西側に出てすぐのところには、小さな丸石で覆われた浜辺がある。
砂で汚れないから非常によい。
水も綺麗で潜れば小魚が泳いでいるのが見える。
立ち泳ぎしながら旧市街の赤い屋根の街並みを眺めると
その不思議な光景につい溜め息が出る。
南国のリゾート気分と、ヨーロッパ特有の歴史を感じさせる街並みが同居している。
こんないいところってそうないだろう。
数ある旅行の思い出の中でも、このドゥブロヴニクの浜辺で味わった爽快感は屈指のもの。
素晴らしいの一言に尽きる。
浜辺で甲羅干ししていると
前に座ったカップルのお姉ちゃんはトップレスだった。
目のやり場に困るなあと思いつつ、実はそれほど困ってないというか
いわゆるガン見状態だったわけだが、
そこへ隣に陣取っていた青年が「どこからきたの?」と英語で声を掛けてきた。
東京じゃぱんと答え相手に問い返すと、彼はボスニアのサラエヴォからきたとのこと。
モスタルに行ったことを話すととても喜んでいた。
しばらく一緒におっぱいや海やおっぱいを眺めながら、
イタリアから回って見てきたことを話したりサラエヴォの様子などを聞いたりした。
海で泳いでいるところにもう一度彼に出くわすと、
周りの水をバシャバシャと撥ねさせながら、
「Beatiful ocean, and the sun shines!GOD BLESS US ALL!」と叫んだのが印象的だった。
戦災の瓦礫が未だ残るという内陸の街から来た彼にとっては
どれほど喜びに満ちた街に見えたことだろう。
いや、本当に極楽なんてものがあるとしたらこんなものではないだろうかと私も思った。
このときの写真がないのが悔やまれる。
2005年8月29日
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